出生前診断受ける?受けない?私たち夫婦は受けませんでした
出生前診断。最近よくテレビや雑誌でも取り上げられていますよね。妊娠経験のある方やこれから妊娠を望もうと考えている方なら尚更耳にしたことあるのではないでしょうか。
私たち夫婦も子どもを授かりたいと思ったときから、この出生前診断を受けるかどうか考えていました。
今回は出生前診断とはそもそもどういったものなのか?
種類はあるの?
メリットやデメリットは?
といったことについて書きたいと思います。
出生前診断ってどういうもの?
出生前診断とは、お腹の中の赤ちゃんに先天性・遺伝性の病気はないか、染色体異常や奇形はないかといったことを調べる検査です。
出生前診断の種類はいくつかあります。
出生前診断の種類
・超音波検査
こちらは妊娠すると健診の都度行われているエコー検査のことです。私も知らなかったのですが、このエコー検査も出生前診断の1種だそうです。期間は妊娠初期から後期まで行われます。
エコー検査では、体や頭に異常がないか、羊水の量や心拍に問題はないかなど調べることができます。
『胎児の後頭部辺りが大きすぎるとダウン症の可能性がある』『心臓の弁が通常ではないと臓器異常の可能性がある』などエコー検査はリアルタイムで胎児の様子を見ることができます。
ただし、画像での診断はあくまで可能性の為、医師の判断によってより詳しい検査をする必要があります。
・母体血清マーカー診断
検査する成分の数によって、3種類であればトリプルマーカー、4種類であればクワトロマーカーと呼ばれています。母体血清マーカーテストではダウン症症候群、エドワーズ症候群、二分脊椎症、無脳症の可能性を診断します。
母体血清マーカーテストを受けられる期間は妊娠15週~20週。費用は病院によって異なりますが、1~2万円の所が多いようです。
あくまで『染色体異常の可能性がある確率』を調べるものであり、判定精度はあまり高いとは言えません。
このマーカーテストで陽性反応がでた場合、別の出生前診断を受ける人も多いです。
検査を母体の採血で行うので、比較的リスクは少ないといえます。
・羊水検査
羊水検査は母体のお腹に針を刺して子宮内の羊水を取り出し染色体や遺伝子の異常がないかを調べる検査です。
検査可能期間は大体妊娠16週~20週の間とされています。
費用は10~20万円程と消して安価ではありません。
なので、母体血清マーカーテストで陽性反応がでた場合にこの検査を受けることがほとんどです。
高価なだけあって、エコー健診、母体血清マーカーテストと比べると、その判定精度は格段に上です。ダウン症の診断ならほぼ100%に近い値で診断できます。
しかしながら、子宮に直接針を刺すためリスクを伴い、最悪の場合流産する危険性があります。
・新型出生前診断
日本では2013年から新しく始まった出生前診断で、正確には『母体血胎児染色体検査(NIPT)』という名称です。
母体血清マーカーテストの検査方法と同様、母体の採血から遺伝子や染色体異常を調べる検査です。診断精度は母体血清マーカーテストよりはるかに精密であり、陰性の場合は100%に近い数値で明確の様です。
また、特徴として、
羊水検査のようなリスクが少ないこと。
検査可能期間は妊娠10週~22週ごろまでで、検査可能期間が長いこと。
が挙げられます。
新型出生前診断を受けるためには、下に書いてあるような条件があります。
・出産予定日時点で35歳以上の方
・これまでの妊娠・分娩で胎児が染色体異常であった経験がある方
・妊婦さん本人または旦那さんに染色体異常があり、赤ちゃんも染色体異常の可能性がある方。
・超音波検査や母体血清マーカーテストで赤ちゃんに染色体異常の可能性があると診断された方
出生前診断を受けるメリット
・もしも陽性反応であった場合、産んでから育てる心構え・準備ができる
・陰性であった場合、一安心できる
出生前診断を受けるデメリット
・診断結果が陽性であったとき、産むことに戸惑いが生じる場合がある
・全ての疾患が分かるわけではない
・流産のリスクがある
・費用がかかる
・受けられる病院が限られている検査もある
20代後半初妊娠中夫婦が考えた結果
どの選択が正しいかわかりませんが、私たち夫婦は妊娠する前、「出生前診断を受けて、もしも陽性だったら中絶しよう。」と言っていました。
倫理的問題があるのはもちろん承知ですが、障害を持った子供を育てられる自信もなかったし、産まれてきた子供が幸せになれないと思ったからです。
しかし、実際自分のお腹の中の小さな赤ちゃんを見ると、診断で陽性反応が出ても堕ろす覚悟が持てなくなりました。
正直陽性反応が出るのが恐かったし、費用やリスク面でも負担がかかることを考え、私たちは出生前診断をしない選択をしました。
産まれてくるまで分かりませんが、たとえ障害を持った子どもが産まれても、産まれてきてよかったと思ってもらえるようにしたいです。
*出産後の追記* 2018.5.13
出産してたくさんの妊婦とお話してきましたが、「母体血清マーカー診断」はやっておいても良かったのかなと思います。
まとめ
出生前診断には検査時リスクの低いもの、流産のリスクがあるもの、費用の安価なもの、高額なもの、様々あります。また、条件もありすべての人が受けられるわけでもありません。
もしも出生前診断で陽性反応が出た場合、『産んで育てるのか』、『中絶するのか』と言った1つの命の選択もママパパがすることになります。
どのような診断が出ても産んで育てる覚悟があるならば診断を受けるのも1つの方法だと思います。
また、出生前診断を受けず障害を持った子供が産まれてきた場合、「やっぱり受けていればよかった。」と思うかもしれません。
出生前診断を受けることはご夫婦だけでなく、お互いのご家族も関わる問題だと思います。担当の産科医にもよく相談し、パートナーとよく話し合い、納得できる答えを出せるとよいと思います。